aromatherapy

アロマテラピーという言葉は、フランス人化学者のルネ・モーリス・ガットフォセがつくった俗語です。

日本語では芳香療法と訳されています。

香りのメカニズム

芳香は、臭覚にとっては音楽のようなもので、情緒、記憶、イメージを呼び起こします。

 

臭覚は、五感のなかでも最も抽象的な存在です。

香りを表現しようとするとき、私たちは香りの様子を言葉に変換しようと試みます。記憶を辿り、イメージを言葉にしようと抽象的な言葉を並べます。

そして、その時々の情緒に結びつきます。

 

 

臭覚。

五感のなかで臭覚だけは直接、大脳辺縁系に伝わります。

視覚や聴覚など他の感覚情報はまず大脳新皮質に伝わりますが、臭覚情報は大脳新皮質の知的な解釈を経ずに直接大脳辺縁系にもたらされます。

 

鼻から入った香りは、鼻の付け根あたりにある嗅上皮の粘膜に溶け込みます。臭細胞の臭毛でキャッチされた芳香分子は電気信号に変換され、扁桃体に伝わり、さらに視床・視床下部に情報が伝達され、自律神経系、内分泌系、免疫系へと人体の生理機能に影響を与えます。

 

大脳辺縁系は大脳の内側に存在しており、発生学的には古く、古い脳と称されることがあります。扁桃体は大脳辺縁系を構成する脳部位の1つです。

 

脳の臭覚野は神秘的な辺縁系の一分野です。本能的な衝動、情緒、直感、記憶、創造性、飢え、乾き、眠りのパターン、性的衝動、食欲その他本能的な活動と非常に多くのものと関わってきます。

 

 

この大脳辺縁系を介して、視床下部と下垂体との相互結合が刺激促進され、それによって中枢神経系と内分泌系全体のカスケードが引き起こされます。

私たちの脳に直接インパルスを送るプロセスはすべて心と体に影響を及ぼしています。

言葉なき言葉を繋ぐ

共鳴。

心地よい香り。

食べること。

恋をすること。

音楽に耳を傾けること。

感動する、いろんな喜びは脳内に幸福感をもたらす化学物質を放出します。

 

幸せなときであっても憂鬱なときであっても、怒ったときも悲しいときも、どんなときでも脳内では各種の科学物質を作り出しています。そして、それをカラダの各部分に送るので、悲しかったり、幸せに脳が感じたとき、同じようにカラダの各部分でも悲しかったり、幸せに感じたりしています。

 

 

嬉しいときに流す涙の成分と悲しいときに流す涙の成分が違います。嬉しいときに流す涙は甘く、悲しいときに流す涙はしょっぱいように感情とカラダは結びついています。

 

脳で幸せと感じれば、カラダで幸せと感じる。それが相乗し、脳からカラダへ、カラダから脳へと共振共鳴。カラダの各部分の皮膚や免疫単球と呼ばれる細胞のなかなど脳以外のカラダの各部分にも見られ、体が幸せに感じれば脳も幸せを感じ、脳が幸せを感じれば、カラダも幸せに感じます。

 

 

 

 


 

  

リラックスへと導くアロマテラピーの芳香は本能と記憶にゆだねられます。

香りは、記憶から再生へと進み、本能と記憶に働きかけ、癒しへの道筋を作り出します。

精油の香りは、一度目より二度目、二度目より三度目と香りに癒された記憶が深ければ深いほど、脳であり、心でもある部分が「記憶」し、記憶から再生へとすすみ、より深く心の真ん中にたどり着き、私たちに「何か」を語り掛けてきます。

 

精油の言葉なきことばは、とても小さなささやくような声。

表現できない香りの世界観は、脳や心が記憶し、精油と自分自身が一体化することで香りに癒されます。

 

 

 香りは主観的で個人によって、感じ方がちがいます。

体質にあっているものでも、嫌いだと感じる香りもあります。

誰しも最初は自分にとって親しみやすい、乗りやすいリズムの香りを選びます。 

そこから一歩進めて、異なったリズムを聞きながら、精油と波長を合わせることで、精油のエネルギー領域に適応し、感じるところがあり、しばし考えさせられ、何らかの記憶を呼び起こされるような、精油のなかに存在する自分と同じ性質に気付かされます。